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批判はトロント港湾委員(委員らは、高層の商業および住宅用建造物用に余剰地を売却し、湖へのパブリックアクセスの道を閉ざした)と、連邦政府に組織された港湾フロント公社(これもまた市民が低層および中層建造物用−5階から8階まで−と、公園用地として考えていた土地を高層住宅建築用地として認めた)に向けられた。

 

この委員会には、市民が求めるウォーターフロントがどういう種類のものであるべきかを決定することと、連邦政府、州政府および地方政府が市民が求め必要としているウォーターフロントをいかにサポートし推進できるかについての判断が求められた。また、同委員会は港湾の将来、港湾委員と港湾フロント公社の役割と権限付与、環境問題などの、特定の問題を調査するよう求められた。

 

委員会は1992年にその仕事を完遂した。委員会の案は港湾委員の権限を削減し、残りの土地の大部分をトロント市の経済開発公社(TEDCO)に委譲すべきであるとした。委員会の提案はカナダ政府とトロント市によって実行された。

 

委員会の提案は、水際護岸を、セントラルトロント・ウォーターフロントを横切って町の中心と再びつないでやるという大胆なもので、旅行、娯楽、商業、住居、オープンスペースとしての用途を合わせ持つ地域に拡大しようとするものであった。

 

地域へのアクセスの問題を解決するために、委員会はオンタリオ湖のウォーターフロント周辺に歩道スペースとオープンスペースを設けることを提案した。

 

総体的に委員会は、投資者はすべて環境、経済及び地域社会それそれからの観点をまとめ、生態系を配慮した方法を採用すべきであると提案した。ウォーターフロント再開発を手引きするための9ヵ条が提唱された。

 

委員会の報告を受けて、州政府はこの提案の実現に向けた調整機関としてウォーターフロント・リジェネレーション・トラストを設立した。

 

このトラストには規制力や権力がなく、単なる仲介役またはまとめ役に等しい。このトラストはウォーターフロントに関してすべきことと、誰が何をすべきかについてのコンセンサスを得ることを模索する。同様にこのトラストはプロジェクトの実現と建設にかかわる公共および民間のパートナーに依存する。

 

開発公社ではなく、調整機関を設けるという決定は、いくつかの要因に基づいてなされた。第一に、委員会によって推薦された生態系に対する原則は、公共および民間のどちら

 

 

 

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